ミックス・マスタリング IK Multimediaおすすめプラグイン編
はじめに
IK MultimediaのTotal Studio 3.5 MAXを導入してから数年経ちましたので、その中でも特におすすめのプラグインを紹介したいと思います。
僕が実際に普段から使用しているものだけを厳選して書いております。
ミックスはアートだ!!
Black 76 Limiting Amplifier
Black 76 Limiting Amplifierは伝説のUrei1176コンプを再現したプラグインです。
これを挿して調整すると大抵のトラックはパリッとはっきりとしたイイ音になります。
他社にはあまり見られないM/S処理もできるのが面白いですね。
僕が1176が好きすぎるのもあるのですが、やっぱり使っていてイイ音を出せる安心感があります。
マスタートラック、バストラック以外のほぼ全部のトラックで使っています。
Vintage Compressor Model 670
Vintage Compressor Model 670はコンプレッサーFairchild 670を再現したプラグインです。
これは挿すだけでも真空管サチュレーション効果があり、気持ちイイ歪みが生み出せます。
ヴィンテージロックサウンドのようなジャキジャキした音作りに最適です。
ドラムにもボーカルにもギターにもベースにも。
これであなたもビートルズだ!
このコンプがバッチリ似合うようなロックな曲を最近つくりたい…。
British Channel
British ChannelはSSL 4000 Series Eを再現したプラグインです。
これのイコライザー、フィルター、コンプを使うと、ミックスの質がグッと上がります。
80年代定番のチャンネルストリップですが今使ってもカッコいい、むしろ古いからこそカッコいい。
ただしWavesやNative Instrumentsの再現プラグインよりも負荷が重いのが少し悲しい。
低スペックのパソコンで、多めのトラック全てに挿すとだいぶ負荷がかかってしまいます…。
でも負荷の許すかぎり全トラックに使いたい。
これに限らずIK MultimediaのプラグインはM/S処理できるものが多いですね。
SSL 4000 Series GモデリングのWhite Channelもありますがあまり使ってません。
Eが好きすぎるからだと思います。
Quad Image
Quad Imageはステレオ強化プラグインです。
Waves Centerが使えない環境での制作時に使っています。
自分はパンニングと同じぐらい大事なのがM/S処理だと思ってるので、簡単にM/S処理ができるのはいいのですが音質の変化が大きい気がします。
でも使ったほうがサイドに音を配置できるのでIK Multimedia縛りなら採用するのもありです。
Saturator X
Saturator Xはサチュレーションプラグインです。
アナログ・テープや真空管等の歪み・暖かみを再現してイイ感じのアナログサウンドになります。
これはかなり好きなプラグインでマスタートラックに挿すこともあります。
とてもシンプルな操作になってるので自分の気持ちいいと感じる歪みを探ってみてください。
負荷も軽いし申し分なし!
One(イチオシ!)
Oneはマスタリング・ミキシングプロセッサーです。
今回一番おすすめしたいのはこれです!
iZotopeのOzoneやらなんやらマスタリングのプラグインはありますが、ここ数年は必ずOneを使ってます。
AIR、FOCUS、BODYはイコライザーで、マスタリング時には音域の住みわけが終わっていてほぼ触ってませんが高音域の強化にはありかも?
PUSHはコンプ、VOLUMEはマキシマイザーで、これを上げていくと気持ちいい程音圧が上がります。
しかもWavesやiZotopeのマキシマイザーよりも音の劣化が少なく、音質がとても良い気がします。
BASS PUNCHはローエンドの強化ができて1~3程度軽く上げるのがおすすめ、これも効果が高い。
ANALOGはその名の通り倍音付加機能でアナログ感が強化され、いつも4ぐらいまで上げています。
TRANSIENTS機能もついており1~2程度上げると強弱のメリハリが生まれます。
WIDTHはステレオ感強化機能でこれも1~2程度上げています、やはりサイドが持ち上げられると音が豪華に聞こえますね。
本当にこれ1個(One)でほぼ全てのマスタリングができてしまいます。
バストラックに挿すのもありかもですが、僕はマスタートラックのみに使っています。
他のマキシマイザーやマスタリングプラグインより操作も簡単でお手軽に音質が良くなるOneを僕は本当におすすめします!
最後に
IK Multimedia縛りのルーティン例は、Black 76(粒揃え)→British Channel(音域住み分け&軽くコンプ)→Quad Image(M/S処理)→One(マスタリング)ですかね。
ただ惜しいのはBritish ChannelやQuad ImageのM/S処理でサイドに配置しようとすると音質が変わり過ぎてしまうことが多い。
やはりWaves CenterとDoublerはM/S処理に関しては最強だなと思います。
ただしOneはめちゃくちゃ使えるので、もし音圧がどうやっても上がらない場合は試してみるのもありだ。
もちろんパンニング、イコライザー、M/S処理がうまくいっていれば他社のプラグインでも綺麗に音圧は上がるが、なんていうかOneは力業でググ~ッと高品質に音圧を上げてしまう感じがする。
Oneが入っているだけでもTotal Studio 3.5 MAXを購入した意味がありました!