作曲とAI

人間の作曲?機械の作曲?

人工知能の発展に伴い、AIが芸術的な分野にも進出している。

膨大な絵画データを人工知能に取り入れ、名画を作り出してしまうAIも話題になった。

将棋やチェスの対戦技術、言語翻訳機能、データ予測など、AIはどんな分野でも活躍できる可能性を秘めている。

AIが作曲した楽曲も話題となったが、まだ今の段階では人間の繊細で情熱的な創作力にはAIもかなわない。

しかしこのAI作曲技術がより進化を続けるとどうなるのだろうか。

人間が心地いいと感じる音

そもそも作曲とは、人間が心地良く感じるハーモニーを突き詰めていった技術である。

西洋では12音階だが、日本・インドなどの様々な国では12音階以外の音が古くからの音楽に使われている。

西洋のハーモニーが世界中へ広まり、現在の音楽理論が形づくられてきた。

我々が作曲する音楽は、幼少期から耳にする音楽の記憶の構築であり、偉大な作曲家達からの作品をお手本に作曲をしている。

完全に音楽を聞かずに育った場合、雅楽のような西洋のハーモニーとは違う音楽ができるはずだ。(現代音楽は意図的にハーモニーを崩すことに挑戦している)

和声・コードなどの理論もお手本である。

つまり我々は、何かしらのお手本・技術を元に作曲をしている訳である。


人間とAIの違い

我々は、膨大な音楽の中から好みの作曲技法を選択し、独自に発展させて作曲をおこなう。

AIは、膨大な作曲データを取り込み、心地よい音楽の仕組みを割り出し作曲をおこなう。

人間もAIも仕組みは同じようなものだが、AIは人間よりも効率的に膨大な作曲方法を頭に詰め込める。

この詰め込み作業は、寿命がある人間にはなかなか難しいことかもしれない。

だが人間には人生の経験と感情がある。

これは現代のAIにはないもので、膨大なデータを詰め込むだけでは生まれない。

人間は何かの作曲技法をお手本にし、その人が歩んだ人生や感情と合体させて新しい音楽をつくることができる。

とても楽しかったこと、とても悲しかったこと、とても腹が立ったこと。

これらの経験・感情を音楽に混ぜ込むことができるのである。

とても繊細な感情を音楽に映すことができるのである。

今後のAIの進化

今の段階では人間とAIの違いは明確にある。

しかし、今後も人工知能の開発が進み、AIも経験・感情を持つようになるとどうなるのかはわからない!

SFの世界だが、人間では想像もつかないような素晴らしい音楽を生み出すことがあるかもしれない。

しかしこれは人間にも言えることで、どんな天才音楽家が生まれるのかもわからない。

AIの進化により、事務的な仕事はいずれなくなってしまうらしいが、芸術分野の仕事もいつかAIに奪われてしまうのか!?

そうならないように常に精進していきたいものである。

「AI VS 人間」の紅白歌合戦的なものも見てみたいものだが…。