ボーカルとオケのミックス・マスタリング方法 WAVESおすすめプラグイン編

はじめに

以前にもミキシングのやり方を書いたが、WAVES Mercuryを導入したので本格的ミックスに向けて、WAVESおすすめプラグインも紹介しつつ超絶簡単にメモしようと思います。

ミックスはアートだ!!

ミックスの準備

  1. 長時間大音量で聞かないように!聴覚が壊れます。計測アプリで調べて75dB以下でおこなおう。小さめの音量の方がハッキリと音像が見える時もあります。
  2. マスタートラックにDorrough StereoPAZ Analyzerをいれる。
  3. マスタリングの際はWLM Plus Loudness Meterも忘れずに。
  4. 理想の音質のリファレンス楽曲を聞ける状態に。
  5. なるべくドラム、ベース、オケ、ボーカルはそれぞれのバストラックでまとめよう。(ステムミックス)でもこれも絶対ではないです。

ボーカルトラックのミックス

  1. パンニング、音量バランスの大体のイメージを決める。
  2. 他社ですがiZotopeのRx8のMouth De-click(マウスノイズ)、Voice De-noise(声音ノイズ、音圧低下注意)、De-plosive(破裂音)、De-ess(歯擦音)は超おすすめ。ミックス前にRX8スタンドアローンで使用するのが基本だが、設定値によっては音圧が下がりダイナミクスが失われる危険性があるため注意。De-clip(クリップノイズ)、De-Click(大きいノイズ)からのDe-crackle(小さいノイズ)、De-hum(ハムノイズ)、De-reverb(反響)、Spectral De-noise(薄いノイズ、音圧低下注意)、Repair Assistant(自動補正)、Guitar De-noise(ギターノイズ)、Loudness Control(ラウドネス)はあまり使ってない。
  3. Dawのトラック付属EQやH-EQF6 Floating-Band Dynamic EQRenaissance Equalizer等でMS処理、不要な音域をカットする。
  4. MV2Vocal Rider等で音量を均一化する。なしでもOK。
  5. CLA-76CLA-2A等で軽く粒を揃える。重要。
  6. Renaissance VoxRenaissance CompressorPuigChild Compressor等で粒を揃える。コンプかけすぎ注意。準備段階のCLA-76等で成立していればこれもなしでもOK。
  7. Scheps 73API 550SSL E-Channel(おすすめ)SSL EV2 Channel(おすすめだが重い)、Aphex Vintage Aural ExciterScheps Omni ChannelVocal BenderMorphoderKramer HLS ChannelInfected Mushroom Pusher(EDM感が出せる)等で理想の音質に味付けする。これもなしでもOK。
  8. DeBreath等でブレスカット。ハ行やタ行が消えることもあるので要調整。
  9. Renaissance DeEsser等で耳障りな音をカット。サ行が消えることもあるので要調整。
  10. オケに馴染ませるためリバーブやディレイで空間を設計。センドが基本だが直接挿してもいい。
  11. トラックをサイドに広げたい場合DoublerCenterを使う。

オケトラックのミックス

  1. パンニング、音量バランスの大体のイメージを決める。
  2. Dawのトラック付属EQやH-EQF6 Floating-Band Dynamic EQRenaissance Equalizer等でMS処理、不要な音域をカットする。
  3. CLA-76H-Comp Hybrid Compressordbx 160 compressor / limiterV-CompPuigChild Compressor等で粒を揃える。
  4. Scheps 73(ブラス・ストリングスにおすすめ)やAPI 550SSL E-Channel(おすすめ)Scheps Omni ChannelScheps Parallel ParticlesV-EQ4REDDEMI TG12345 Channel StripPuigTec EQsKramer HLS Channel等で理想の音質に味付けする。なしでもOK。
  5. 必要な際はリバーブやディレイで空間を設計。センドが基本だが直接挿してもいい。
  6. トラックをサイドに広げたい場合DoublerCenterを使う。

マスタリング

  1. H-EQF6 Floating-Band Dynamic EQLinear Phase EQ等で気になる音域を狭く浅くカットする。
  2. SSL G-Master Buss Compressor等で軽く粒を整える。2mix前に各バストラックにかける方がおすすめ。バスコンプをかけると一体感が増す。
  3. Abbey Road TG Mastering ChainAbbey Road SaturatorInfected Mushroom PusherKramer MPX Master TapeJ37 TapeAphex Vintage Aural ExciterGreg Wells MixCentric等で軽く味付けする。なしでもOK。
  4. L2 Ultramaximizer等のLシリーズでリミッティング。

その他メモ

  • パンニング(LRのみで分離する音はかならず入れてあげよう)、ステレオイメージ、ミドルサイドを各トラックで常に意識しトラック作成時に決める。楽器がどの位置で、どの距離で鳴っているか。リバーブは遠くに聞こえる。LRに動きをつけたりオートメーションを書き飽きさせないつくりにしよう。
  • 上とかぶるが、よく低音はセンター高音はサイドに振り分けると言われている。まさにそのとおりでミックスは軸が2つある。1つはパンニング・ミドル・サイドのステレオ配置。もう1つはイコライザーによる各音域の住み分けだ。この2つが噛み合うと素晴らしいミックスになる。具体的に書くとキック+ベース+ボーカルは基本的にセンターに配置するがそれぞれもイコライザーで得意音域を分ける。コード楽器やコーラス、装飾音等はLRやサイドに振り分けて、さらにそれもイコライザーで住み分ける。ボーカルやキックのためにセンターや周波数を空けてあげるのだ。ただしサイドだからと言って低音が少なすぎるとゴージャス感がなくなる時があるため、キックと住み分けながらちょうど良い音域をカットしてあげよう。
  • パラレルEQ、パラレルコンプが活きるトラックではパラレル処理を。
  • ボーカルトラックやFXトラック、グループチャンネル(バストラック)のモノラル・ステレオ確認。特にバストラックはステレオにしないとパンニングできなくなっちゃいます。
  • リファレンス楽曲は、C6H-EQをマスターにさして低音域から高音域の順にソロで聞く。それを音域毎に自分の楽曲と聞き比べる。まず耳で聞いた音量で揃えてみて、次にパンニングや波長を合わせるように調整するとプロの仕上がりに近くなる。
  • 最大ボリューム時の低中高音域の配置、パンニングの音量バランス(低音センター、高音サイド)、ボーカルの音域を入れるスペース、トラック・音域毎のフェーダーバランスの設計を最初にイメージ
  • 各スペースを空けるためにもF6 Floating-Band Dynamic EQでMS処理を。ミドル・サイドの低音をカットしたり、ミドル・サイドの高音をブーストしたり。各トラックかバス・マスタートラックでまとめてやった方が良い。各トラックの音の住み分けのためにダイナミックイコライザーでミドルのみをカットすると、音質が変化しすぎるしスカスカになっちゃうのでCenterを使った方が良い。
  • 上の続きだが正直言うとこの内容はあまり教えたくないぐらい効果がある。サイドに配置したいコード楽器等はCenterで音質が変化しにくい数値(具体例:基本的にロー・ハイ・パンチはサイドに全振り。サイドに大きく広げたいトラックはセンターはー6、サイドは+6にしたりするのがおすすめ。あまり広げすぎたくないトラックはセンターはー2、サイドは+2にしたりする。音作りの段階でローハイはEQ調整しているので、ロー・ハイ・パンチはサイド全振りにして大丈夫。ダイナミックイコライザーで調整するより明らかに音質が良い。)にして、バスではなく各トラック(fxトラックにかけても面白い)で使う。各トラックの定位、住み分け、ステレオ感強化に必須。ダイナミックイコライザーみたいにスカスカになりにくい。ドラムやボーカルのためにセンターのスペースを空けて、サイドに伴奏等を配置し聞こえやすく住み分けることが可能で、一気に曲のクオリティが上がる。サイドに徐々に広がるようなオートメーションを書いても面白い!
  • オケのバストラックにF6 Floating-Band Dynamic EQをさして、サイドチェインでボーカルトラックからセンドし、気になる音域(200Hz~2000Hz等)を指定音量を超えた時だけ抑える(RANGE-5程度)のがとてもオススメ。ドラム音量はそのままで、ボーカルが聞こえる時だけ濁りやすいオケの指定音域の音量を少し小さくすることができ、バランスがとても良くなる。同じようにキックがなる時にベースをダイナミックEQのサイドチェインで少し小さくするのもおすすめ。
  • リバーブはAbbey Road Reverb PlatesH-Reverb Hybrid ReverbTrueVerb等がおすすめ。
  • ディレイはH-Delay Hybrid DelayKramer MPX Master TapeManny Marroquin Delay等がおすすめ。
  • DoublerCenterVitamin Sonic EnhancerPS22MondoModS1 Stereo ImagerMetaFilterEnigma等も味付けに最適。Smack Attackはドラムバス、ベースバス、オケバス、ボーカルバスどれにかけてもノリをつくりやすいのでおすすめ。
  • SubmarineLoAirMaxxBassRenaissance Bass等でローエンドを。ベースはローを強化した後にEQで約70Hz以下を-4dB程度カットするとキックと分離しやすいかもです。よく聞こう。キックもベースも30Hz以下を軽くシェルビングカットもありだ。
  • ミドルの約250~1500Hz辺りは音が密集しやすく籠りやすいので注意だ。オケで密集しているとボーカルも籠ってしまうので要注意。楽器毎に音質が変化しすぎないように軽くカットしてあげよう。だが単独で聞いたときにペラッペラな音でも、全体で聞くと意外に成立するので大胆にカットしても良し!
  • 約10000Hz以上は空気感を強化するイメージだ。12000以上はローパス、シェルビングカットするのもありだ。ただしボーカルや数トラックはカットせず、シャラシャラとした空気感を残してあげよう。
  • 完結したトラックはフリーズしてPCを軽く!
  • NLSでアナログ感を出してみよう。
  • 2MIX前にリファレンス楽曲と聴き比べてF6 Floating-Band Dynamic EQでローハイカット。ローハイが出過ぎていないか注意。ハイが崖のようなカットをされている市販曲も意外と多い。ローハイカットし過ぎで物足りない場合もあるから注意。
  • ボーカル、キック、ベース、スネアのどれが一番ボリュームが大きいのかいつも悩む。これは曲のジャンルによってかなり多様のため、なるべくリファレンス楽曲の心地良い音を参考に近づける。臨機応変にスペクトラムアナライザーを見ながら対応せよ!
  • ボーカル曲の場合は楽器トラックを増やしすぎないように。極力音数も少なくするとシンプルにかっこよくなる。本当に必要な厳選された音でつくりましょう。ボーカルがモヤモヤしてこもる時は大抵全体の低~中音域に問題あり。ドラム・ベース・ボーカル・オケバスに大胆なサイドチェーン、MS処理等をしてみよう。
  • ループ音源はオーディオ化し、タイムストレッチ機能でドラムとタイミングを少しだけズラしてやるとかっちょいい。基本的に時間を101%等増加させ、わずかにドラムよりもたつかせる感じだ。これがノリだ。
  • 低音も魅力なボーカルは約100Hz付近からEQカットしよう。250Hz以下からカットすると声の響きがかなりなくなるので注意。
  • リバーブ、ディレイなどのセンドトラックの200~2000Hz付近を-0.5~1.0dB程度をゆるくベルカットしてあげよう。やりすぎるとゴージャス感が無くなるので注意。
  • プリアンプ系はScheps 73SSL EV2 ChannelKramer HLS Channelを使おう。

フェーダーバランス参考

上記のとおり音量バランスはジャンル、楽器が鳴らす音域によってかなり違います。

これはあくまでも参考イメージです!

音量低音域
約20~350Hz
中音域
約350~4000Hz
高音域
約4000~10000Hz
基準ボーカル
約-2dBスネア
約-3dBキック
ベース
約-4dBタム
クラップ
サブスネア
クラッシュ
約-5dBハイハット
シェイカー
タンバリン
約-6~10dBブラス
ストリングス
ブラス
ストリングス
ブラス
ストリングス
約-6.5~10dBピアノ
ギター
コード系
ピアノ
ギター
コード系
ピアノ
ギター
コード系
約-8~10dBウワモノ音
パッド系
ウワモノ音
パッド系
ウワモノ音
パッド系

最後に

超絶にザックリとしたミックス・マスタリングのイメージですが、リファレンス音源を何度も聞きながら順番にトラックを整理(パンニング・イコライザー・コンプレッサー)していく感じですね。

上でゴチャゴチャ書いてますが個人的に好きな各トラックプラグインの差し方は、CLA76(生音やバラツキがある音)→サチュレーションやディストーション等の味付け(何やってもよし!)→Echannel(必須)→Center or doubler(広げたい音)です。基本に忠実ですが本当にミックスがキレイにまとまる。

お手本曲があればそれを見本にテクニックを磨きましょう。

フェーダーバランスの順番ですが、よくキックが最大等言われていますが楽曲の雰囲気や、自分の耳の聞き心地で柔軟に対応していきましょう。

ピークメーターだけでなく、VUメーターや自分の耳を信じてコツコツと素晴らしい作品を完成させましょう!